自動車を維持していれば、登録ナンバーによって1~3年周期で必ず訪れる車検。
新車ならば3年後に車検。4ナンバー貨物車は1年ごと車検。
車検は車を購入したディーラーやショップ、車検センターに依頼するのが一般的です。
「車検に出して戻ってきたらハンドルが軽くなって運転しやすくなったけど、なぜ?」
と疑問や不安に思われている方へ。
その理由とは車検に出す前の状態から出した後の車の状態が変わっているためです。
この記事を読むことで次の内容が理解できます。
- 車検に出した後でハンドル操作が軽くなる原因
- ハンドルが重くなる原因と対処
- ハンドルが右だけ重くなる原因と対処
それでは解説しますね!
車検に出すとハンドルが軽くなる原因は?
その原因とは、タイヤ空気圧、タイヤ溝、パワステ機構の状態などハンドル操作に関わる部分が車検に出す前より良くなり、その車本来の正しい状態になったからです。
まず、車検に出したディーラー等で何をしているのかを簡単に解説します。
そもそも車検とは公道を走行するための車の期末テストであり、赤点を取ってしまうと(正確には点数ではなく、車検項目で1つでも×があると)その車は公道を走れなくなります。
車検には2つの内容があります。
- 税金などの法定費用の支払い
- 車検整備(日本の公道を安全に走行出来る状態であるかをチェックし、問題があれば整備や修理を行うこと)
後者の車検整備は車検を受ける前に実施するものです。
この車検整備を行うことで、冒頭で申し上げたように車検に出す前の状態から出した後の車の状態が変わります。
では次に具体的に何がどのような状態になったのかを、よくある原因順に解説します。
すべてハンドル機構に関わる部分の抵抗(回すときのに必要な力)が関わっています。
タイヤ空気圧アップ
空気圧とハンドルの軽さを分かりやすく解説するために自転車をイメージしてください。
自転車のタイヤがペチャンコになっていて、それに気づいて空気を入れた途端にペダルが軽くなった経験ありませんか?
もしくはパンクしたまま走るとペダルってものすごく重くなかったですか?
車でも同じことが起きています。
車はタイヤと地面が設置していますが、浮き輪のように空気圧で膨らんで浮いた状態です。
空気圧が減ると路面との抵抗が大きくなり、逆に空気圧を高めると抵抗が減る特性があります。
自動車メーカーなどで推奨されているタイヤの空気圧点検は最低で月に一度ですが、律儀に守る方は、よほどの車好きや整備好きな方でない限りおそらく少ないでしょう。
要するに1年または2年に1回の空気圧点検になっているのが実態といえます。
それに車検の明細に「タイヤ空気圧補充」はあまり記載されません。
空気圧の補充では整備代金は発生しないため記載がなく、その結果ユーザーに気づかれることなくそっと空気を補充してくれているのです。
よって、車検から戻ってきたらハンドルが軽くなったという結果だけ知ることになっています。
タイヤ溝(タイヤ交換)
タイヤの残り溝が規定値に達しない場合、車検に通らないのでタイヤ交換をすることになります。
タイヤ交換をするとゴム弾性力の効果で軽くなったり、路面との抵抗が減るため軽くなります。
パワステ機構の正常化
車検に出す前にパワステ機構に異常があり、車検整備で正常な状態になればハンドルが軽くなって車検から戻ってきます。
ハンドルが重い原因は?
ハンドルが重くなる原因を挙げておきます。
空気圧不足
前項でも解説していますが、タイヤ空気圧は路面との抵抗に関わっています。
空気圧が50%減ると燃費も10%悪化する(例:燃費20km/Lが18km/L)と言われており、ハンドル操作以外でも悪い影響が出ます。
タイヤ溝不足
タイヤの残り溝が不足すると、路面との接触面積が増えるため抵抗が大きくなりハンドルが重くなります。燃費も悪化します。
また、タイヤの溝が極端に少なくなるとタイヤの構造上ゴムが硬いゾーンが露出しますので、これも路面抵抗を大きくしてしまう原因となります。
パワステ機構
油圧パワステであればパワステフルードの劣化、電動パワステであればバッテリーや発電機(オルタネーター)の劣化によってアシスト力が減るためにハンドルが重くなったと感じます。
ハンドル回すと右だけ重いの原因はなに?
ハンドル機構は様々な部品から成り立っており、ハンドル、パワステ、それを繋ぐシャフト、リンク(人間でいう関節にあたる部分)、ギヤ、ハブベアリング、ホイール、タイヤです。
ハンドルとタイヤの角度
車が真っすぐ走ったり左右同じように曲がったりするためには、ハンドル真っすぐのときに左右のタイヤが真っすぐになっている必要があります。(トー角度と言います)
右だけ(片方だけ)重い場合は、タイヤが真っすぐになっていない場合があります。
どの車でも左右のタイヤの角度をネジで調節して真っすぐに矯正できるような機構(トー角度調整機構)がありますので、調整によって直ることがほとんどです。
パワステコンピューターの不具合
最近の車は燃費向上のために各デバイスの電動化が進み、パワステも電動化しています。
電動でコントロールするためにコンピュータ制御しています。
パワステコンピューター制御は左右のアシスト力の調整や、速度に応じてハンドルの重さを変えたりしています。
パワステコンピューターに不具合が生じると、左右のアシスト力にばらつきが出て、どちらか片方だけ重くなることが稀にあります。
まとめ
車検に出して戻ってきたらハンドルが軽くなる原因は、車検に出す前の状態から出した後の車の状態が変わっているためです。
車検整備によって車の状態が変わり、ハンドル機構に関わるタイヤの空気圧調整などでハンドルの軽さに影響しています。
逆にハンドルが重くなる原因は、空気圧不足やパワステコンピューター不具合など何らかのトラブルを抱えている状態が考えられますので、早めにディーラーなどで点検や整備をされることをおすすめします。
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