車を運転していると、色んな音がしますよね。
オーディオやナビならともかく、普段聞きなれないような音で特にハンドルを切ったときにカクカクやコンコン、キュルキュルといった異音が出ることがあります。
あなたの車はすでにハンドル機構のどこかにトラブルを抱えていて、それが異音の原因となっている可能性が高いです。
この記事では、ハンドルを切ったときに発生する異音の種類別に原因を解説し、対処方法についても分かるようになっています。
- ハンドルを回すとカクカクする原因、対処
- コンコンの異音の原因、対処
- キュルキュル異音の原因、対処
それでは解説しますね!
ハンドルを回すとカクカク重くなったり軽くなったりの原因は?
ハンドルを回している最中にハンドルを握っている手にカクカクした振動が伝わってくる場合、ハンドルを回してタイヤの角度を変える機構(①ラック&ピニオン機構、②ジョイント機構)にトラブルを抱えている可能性があります。
ラック&ピニオン機構
ハンドルの回転運動を左右の水平運動に変換するための機構で、その方式の中でラック&ピニオンが一般的です。
ハンドルを回すとハンドルの付け根からシャフト(ステアリングラック)が前方に伸びていて、その先のエンジンルームでギヤ(ピニオンギヤ)に繋がっています。
ステアリングラックはハンドルと共に回転運動をしており、ピニオンギヤを回転させます。
このピニオンギアに汚れや異常が発生するとハンドルをある角度に回したときにカクカクした振動となって手に伝わってきます。
【対処は?】
ピニオンギヤの点検、清掃、交換またはラック&ピニオンギヤのアッセンブリ交換
ジョイント機構
ラック&ピニオンで回転運動を左右の水平運動に変換されたあと、タイロッドシャフトという軸が左右それぞれのタイヤの付け根に繋がれ、タイヤの方向を変えることが出来ます。
タイロッドシャフトの先にはタイロッドエンドと呼ばれる真円のリンクがあり、シャフトとリンクの金属同士が接触しないようにたっぷりのグリスのクッションで守られています。
リンクが人間の膝関節で、グリスは膝関節にある軟骨をイメージすると分かりやすいと思います。
このグリスが雨や洗車で流れたり経年劣化で少なくなると金属同士が擦れるようになり、異常摩耗が発生します。
異常摩耗すると本来の真円のリンクでは無くなることで、ハンドルを回したときにカクカクした振動となって手に伝わってくることになります。
【対処は?】
タイロッドエンドのグリスアップ、タイロッドエンド交換
ハンドルを切ると異音コンコンはなに?
ハンドルを切った状態で走行するとコンコン異音が発生し、ハンドル真っすぐだと出ない異音について解説します。
ドライブシャフトという路面の凹凸を吸収したり、ハンドルを切った状態でも問題なく走行出来ることを可能にする部品の不具合でコンコン異音が発生します。
そのためにはエンジンとタイヤ間に中間ジョイント機構(ドライブシャフト)が必要です。
ドライブシャフトはエンジンの駆動力をタイヤに伝えながらもハンドル機構も兼ね備えた役割を持ったもので、多くの仕事を同時に、どんな時も完璧こなしているスーパーマンです。
そのスーパーマンも中身は人間ですので関節を持っています。
関節痛だと完璧なパフォーマンスは発揮できませんよね(笑)
ドライブシャフトはリンクやベアリングで構成されており、それらはドライブシャフトブーツという蛇腹状のゴムでしっかり覆われています。
エンジンの走行状態や走行距離、負荷を受けてブーツが破れてしまうことがあり、破れた個所から雨水などの水分や汚れが混入することで、中のグリスが洗い流されたり、劣化、量が減ってしまいます。
そうなると金属同士の接触が始まり、異常摩耗に繋がり、回転運動をする中でコンコン異音となって聞こえてきます。
【対処は?】
ドライブシャフトのグリスアップ、ブーツ交換
ドライブシャフトブーツが裂けたらどうなるかは別記事にまとめているので良かったら読んでみてください。
⇒ドライブシャフトブーツ破れ発見!破れるとどうなる?応急処置ある?
ハンドルを切るとキュルキュル異音の原因は?
ハンドルを切った時だけ異音がするという症状に対しては、ラック&ピニオンやドライブシャフト以外にも考えられます。
油圧パワステの場合、エンジンのクランクプーリーという円盤とパワステプーリーという円盤がベルトを介して繋がっており、パワステはエンジンの動力を受けて回転します。
このベルトはゴムに繊維を編み込んだ構造なので、プーリーに水分が付着したりベルトそのものが経年劣化すると滑ってしまい、その滑るときに「キュルキュル」をいう異音を発生させます。
ハンドルを切らなければクランクプーリーとパワステプーリーはただ繋がって回転しているだけですが、ハンドルを切ってパワステを駆動させようとすると回転抵抗となるため滑りが発生するというのが滑りのメカニズムです。
まとめ
ハンドルを回すとカクカクやコンコン、キュルキュル異音の原因は、ハンドル機構のどこかにトラブルを抱えていることです。
- カクカク音
ハンドルを回してタイヤの角度を変える機構(①ラック&ピニオン機構、②ジョイント機構)が主な原因です。
- コンコン異音
ドライブシャフトの不具合で発生している可能性が高いです。
- キュルキュル異音
パワステプーリーに水分が付着したりベルトそのものが経年劣化すると滑りが発生し、その滑るときに「キュルキュル」をいう異音を発生させます。
ベルトの不具合が起きている可能性があります。
どの音も、すでにトラブルになっているかその前兆です。
早め早めの対処をおこなうことで、ストレスを無くして気持ち良いドライブに繋げてください!
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