ブレーキを踏むと「キーキー」音が鳴るのが気になりますか?
「キーキー」音が鳴るのは、ブレーキを踏んだ時だけですか?
それとも踏まなくて常に鳴っていますか?または走り始めだけ鳴って、あとは止まりますか?
あなたの車はどれに当てはまりますか?
もし、ブレーキを踏まなくてもキーキー鳴っているのであれば、緊急性を伴う修理が必要だと思うので、すぐに修理工場で点検したほうがいいですね。
車の不調は最初の問診で決まります。それぞれ原因と対処方法が違います。
ブレーキ鳴きがどうしても気になるのなら、どうぞ読んでみてください。
解決方法が見つかると思います。
車のブレーキ踏むとキーキー鳴る原因はなに?
信号待ちをしていると、「キーキー」音を鳴らして車を停める人と出くわします。
運転席に座っているとあれくらい「キーキー」ブレーキ音が鳴れば気付いているはずですが、まったく気にしない人もいます。
逆に少しの異音も神経質なほどに気にする人もいます。
私は後者です(;^ω^)
ブレーキなんてキーキー鳴って当たり前程度にしか考えていません。
「キーキー」鳴るということはブレーキがちゃんと作動しているということ。そう受け止めているので、さほど気にしていません。
さて、ブレーキを踏むと「キーキー」音がするのは「ディスクローター」と「ディスクパッド」が擦れる音です。
自動車のディスクブレーキは、画像のように、走行中回転している「ディスクローター(丸い金属のレコード盤のようなもの)」を左右の「ディスクパッド」でサンドウイッチのように挟んで自動車を停める装置です。
「ディスクパッド」はあなたがブレーキペダルを踏むとブレーキオイルの油圧を介して「ディスクローター」を左右から挟んで動かないように作動します。
単純な動作でしょ?
だからブレーキを踏むと「キーキー」鳴る原因は
- パッドが減っている
- ローターが変摩耗している
- ローターとパッドの当たり面の摩擦
- パッドのスラッジ(埃・ゴミ)が溜まっている
- パッドを固定している箇所の振動
- 安いパッドを付けている
- ローターやパッドに小石などの異物が挟まっている
この7つに絞られます。
原因はこれ以外にないです。ブレーキを作動させて音が鳴るわけですからね。
さて、ブレーキ鳴きで一番考えられる原因は「パッドが減っている」ことです。
左が減っているパッド、右が新品のパッド。
新品のパッドは厚さは車種によりますが、だいたい10ミリ前後です。
赤い矢印がその厚さです。
10ミリあるパッドがブレーキを踏むたびに減ってきます。
パッド残厚2~3ミリになると「キーキー」なり始めます。上の画像もかなり減ってしまっているのがわかりますか?
この場合はディスクパッド交換をすればブレーキ鳴きは止まるでしょう。
また場合によっては、パッド交換以外にローター交換または研磨という作業も発生することもあります。
パッドも減るしローターもやっぱり減ってくるんですね。
このローターが変摩耗していればパッド交換だけしても意味ないです。
ローターも同時交換しないとブレーキ鳴きは解決しないし、ブレーキの効き具合も違和感を感じるでしょう。
要はローターのパッドが当たる部分だけ減ってしまい、ローターに段差ができるんです。
ローターは真っすぐ、まっ平らなのが正常です。
欧州車はローターの素材が比較的柔らかく減りやすいのでパッドと同時交換が基本。このため欧州車は維持費がかかるイメージなんです。
ローターの段差が少しであれば、まっ平らに研磨という方法もあります。この場合は研磨代だけで済むので節約になりますよね。
原因として考えられる上の項目の3~5番は、私からすれば気休めの応急処置でしかないです。
一時的にブレーキ鳴きは止まるかもしれませんが、またすぐに鳴り始めます。
正直、まったく意味のない整備です。
この「パッドの面取り」「ローターのペーパー掛け」「スラッジ除去・清掃」「パッド可動部へのグリス塗布」をすすめる整備士がいますが、一時的なものだと認識した方がいいです。
作業工賃だけ取られて、またすぐにブレーキ鳴き始めますよ?
- 安いパッドを付けている
通販とかで安いパッドが売られています。
安いパッドは素材がそれなりです。年数がたつと劣化して硬くなりブレーキ鳴きの原因になります。
それでもいいのならばどうぞ。
- ローターやパッドに異物が挟まっている
小石など挟まることがよくあります。
その場合はブレーキを踏まなくても常に鳴っていることが多いです。
また、ローターと「バックプレート」の間にも小石が挟まることも多々あります。
ブレーキが「キーキー」と走り始めだけ鳴るのはなぜ?
エンジンをかけて、走り始めだけブレーキを踏むと「キーキー」鳴ってうるさい時もありますよね。5分ほど走れば音が消えるパターン。
この場合は、あまり気にしない方がいいです。
ディスクローターもディスクパッドも冷たい状態なので、どうしても当たり面が強くなります。
ちょっと走るとローターもパッドも暖かくなり、なじんでくるのでブレーキを踏んでも異音はしないでしょう。
お客さんの中には、「走り始めだけブレーキ鳴くのですが…」と修理を依頼してくる人もいます。
私は「こういうものですよ」と説明します。
それでも気になるというお客さんもいます。
その場合は
「どうしても気になるのであれば、パッドの面取り、ローターの清掃研磨、パッドにグリス塗布をしますが作業工賃が発生します。
それに一時的なものでまた鳴き始める可能性大です」と説明しています。
整備してもいいけど一時的な解決方法です。
参考までに「パッドの面取り」とは右側の新品パッドのようにローターとの当たり面に角度を付けることです。
新品のパッドですでに面取りされていると整備士としては助かります(^^)v
また、ローターとパッドが柔らかい素材のものがセットになって販売されていることもありますが、メンテナンスに疎い人はやめた方がいいです。
ブレーキ鳴りの軽減にはなりますが柔らかいので純正製品より減りが激しいです。
そしてスラッジも出るのでアルミホイールが汚れやすいデメリットもあります。
ローターとパッドの同時交換になるのでメンテナンス代もかさみますよね。
ブレーキパッドの金属のセンサーの音で知らせるとは?
先ほど「ブレーキパッドの残厚が2~3ミリになると「キーキー」音が鳴り始める」と説明しました。
どういうことかというと、ブレーキパッドには金属の板が装着されている車種があります。
パッドが減ってくると金属の板がローターに当たり、「キーキー」音がするようになる仕組みです。
こんな感じ。
この金属のセンサーは車種によって付いている場合と付いてない場合があります。
付いていると音が鳴るので「あれ?パッド減ってきたか?」とわかります。
ちょっとピンボケですが、金属の板がローターに当たって削れているのが確認できます。
違う角度から見るとこんな感じで金属の板がついているんです。
右は新品のパッドで厚みがたっぷりありますよね?
街中でもブレーキを踏まなくても、ずーっと「キーキー」鳴らしながら走っている車を見ます。乗っている本人は恥ずかしくないのかな?と思ったりします(;^ω^)
「キーキー」金属音が鳴り出したら、おかしいと気付いて、お抱えのディーラーや整備工場に診てもらうといいでしょう。
「キーキー」を放置しているとパッドがまったく無くなり、今度は「ゴーゴー」鳴り出します。
この「ゴーゴー」が鳴り出したら、危険水域です。
たぶん、ブレーキの効き具合も異常なほど効いていません。
いざというとき、ブレーキ踏んでも止まりませんよ!
すぐに修理工場へGO!
まとめてみると…
- パッドの面取りなどは一時的処置
- 走り始めの「キーキー」は気にしない
- 「ゴーゴー」鳴ったら危険水域
走り初めだけ「キーキー」ブレーキ鳴きすると、お客さんが来客することがあります。
「ディーラーで診てもらったら、ブレーキ周りの清掃とパッドの面取りをすればブレーキ鳴き直ると言われたので、お願いします…」とお客さん。
私は「一時的には直りますが永久ではないですけどいいですか?」と答えます。
それでもお願いしますと、作業してお金を支払ってもらいますが、案の定、3か月後くらいにまたブレーキ鳴きしだした(;_:)
と、言われることがあります。
だから言ったのに…
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