車検のときに「ブレーキオイル交換はどうしますか?」と言われたことないですか?
あなたならブレーキオイル交換します?しませんか?
長年車検整備に携わっていると、車検でお金をかけたくないのでブレーキオイル交換をずーっとしない人もいます。
ブレーキオイルを交換せずにいるとどうなるでしょうか…
ブレーキオイルは劣化してくると茶色くなります。
ブレーキオイルが茶色いまま、交換もせずに放置するとどうなるかわかりますか?
放置するとこうなりますよ~って画像を見せます。
ブレーキオイルが茶色になってた!茶色になる原因は?
車のブレーキって車の装備の中でも命に係わる重要な箇所です。
運転者がブレーキペダルを踏むとブレーキオイルを介して前輪や後輪のブレーキが作動するわけです。
ブレーキオイルがないとブレーキは作動しません。
つまりオイルの圧力(油力)でブレーキを動かしているということ。
ブレーキペダルを踏むたびにブレーキオイルがブレーキパイプ内を流動してブレーキを動かすので、月日が経つと汚れてきます。消耗品ですからね。
新品のブレーキオイルを見たことない人もいると思いますが、ブレーキオイルの新品の状態は透明です。
透明というか若干色が付いていてレモン色に近いかな。
それがだんだん茶色に劣化してきます。
例えばこんな風に…
何で茶色くなるのかというと原因は主にこの3つ。
- オイルに水分が入る
- ブレーキの熱で劣化
- ブレーキの黒いゴム部品が徐々に溶ける
このようにブレーキオイルの劣化を防ぐことは不可能です。
ブレーキオイルは消耗品なので徐々に茶色く劣化するし、エンジンオイルのように交換してメンテナンスしたほうがいいです。間違いなく。
ブレーキオイルの交換時期はどのくらいがベスト?
[talk-l url=”https://kuru-zou.com/wp-content/uploads/2018/03/245692300.jpg” width=”100″ height=”100″]ブレーキオイルが茶色くなってから交換すればいいの?[/talk-l]
[talk-r url=”https://kuru-zou.com/wp-content/uploads/2018/06/68d40b3f226c3782054a3e08df921737_s250.jpg” width=”100″ height=”100″]車検ごとに交換するのがわかりやすいのでは?[/talk-r]
一番わかりやすいのが車検ごとに交換することですね。
ブレーキオイルが茶色になるまでわざわざ待つ必要ないです(^-^)
オイル関係って人間でいう「血液」と同じと考えた方がいいですね。
人間だって血液がドロドロに汚れてくると脳梗塞や脳疾患で突然倒れたりするでしょ?
あれと同じでオイルはドロドロになるまで放置したらダメです。
定期的に交換して綺麗サラサラにしておく必要があります。
例えば上の茶色のブレーキオイルを交換すると、こんな感じに綺麗になりますよ。
ちょっと太陽光が当たって余計にきれいに見えますが、光が当たらない状態でも茶色くはないです。きれいです。
車検にお金をかけたくないのでブレーキオイル交換も何年もやらない人もいますが、あまりよいものではありません。
必ず他の部品に悪影響が出て余計な出費になります。
長期間ブレーキオイル交換しないとブレーキが固着します。
[talk-l url=”https://kuru-zou.com/wp-content/uploads/2018/03/245692300.jpg” width=”100″ height=”100″]余計な出費って何?[/talk-l]
例えばブレーキが固着などです。
「ブレーキが引きずる」とも言います。
要はブレーキが固まって常にブレーキが作動している状態です。
ブレーキを踏まなくてもブレーキを踏んでいる状態と同じですから、ものすごくブレーキが熱くなります。
雨の日にタイヤ周辺から湯気を立てている車を信号待ちで見たことがないですか?
あれがブレーキが固着している状態です。
ブレーキの効きが明らかに悪いので危険な状態ですね。
[talk-l url=”https://kuru-zou.com/wp-content/uploads/2018/03/245692300.jpg” width=”100″ height=”100″]何でブレーキが固着するの?[/talk-l]
ブレーキオイルが劣化してくるとブレーキオイルに水分が混じり、ブレーキ内部を腐食させます。
ブレーキ内部は金属なので錆びて動きが悪くなり、固着します。
固着すると動かなくなりますね。
画像がないと固着のイメージがわかないと思うので一枚パシャリ(*’▽’)
この画像は車の前側のディスクローターを止めてブレーキをかけるブレーキキャリパーという箇所です。
ピストンが腐食するとこんな感じに錆びます。
金属が茶色になってさびてきていますよね?
車の持ち主が最近ブレーキの調子が悪いというので点検してみたら、タイヤが回らないくらいにブレーキが引きずっていました。
ブレーキキャリパーを分解してみるとこんな状態になってたというわけ。
軽い症状だったのでサンドペーパーで研磨して清掃して修理完了です。
ブレーキオイルは茶色に濁っていたのでブレーキオイル交換しました。
これが余計な出費です。
ディーラーの請求書的に詳細を書くと
- フロントディスクブレーキキャリパー固着・分解・清掃 15,000円
- ブレーキオイル交換 2,000円
【使用した部品】
- ブレーキキャリパーキット 3,500円
- ブレーキオイル 2,000円
- シリコングリース 500円
- ブレーキクリーナー 800円
- ショートパーツ 500円
合計 24,300円
さらにブレーキが固着して走行中効きっぱなしになっていたわけですから、当然ディスクブレーキパッドも場合によっては減ってきて交換しないとだめかもしれません。
そうなるとブレーキパッド 12,000円の部品代もプラスになる可能性もあります。
「ね?痛い出費でしょ?( ;∀;)」
ブレーキパッドが減るとはこういう状態をいいます。
また違う車は後ろ側のブレーキが引きずっていました。
後ろ側のブレーキは車種によって、矢印のようにシリンダーの中に入っている左右のピストンがブレーキオイル圧力によって左右に押し出されてブレーキを作動させる仕組みになっています。
ブレーキシリンダーを分解してみると、御覧のようにピストンが錆びて動かない状態でした(ピンボケごめんなさい)
思いっきり錆びているのがわかるでしょ?
ここまで錆びてしまうとブレーキを踏んでも、後ろ側のブレーキは全く作動していません。作動しているのは前側のブレーキのみ( ゚Д゚)
はっきり言って超危険です!
で、この錆びてしまったシリンダーピストンですが、、、
サンドペーパーで研磨してチェックしたらピストンが虫食い状態になってなかったので、組付けて修理完了です。
もちろんブレーキオイル交換を最後にやります。
このようにブレーキオイル交換をしないと、あとで余計にお金がかかることがあるんですよ。
ブレーキオイル交換ってオイル代合わせても2,000円~5,000円ほどです。
この料金をケチってあとからブレーキ固着して30,000円の修理代とか馬鹿らしいと思いませんか?
ブレーキオイルは最低でも車検ごとに交換するものだと思った方がいいです。
無交換なわけないですからね。
まとめてみると…
- ブレーキオイルは劣化すると茶色くなる
- 車検ごとに交換がベスト
- 交換しないとブレーキ固着の原因
ブレーキの固着程度であればいいけど、長い坂道を下る時にブレーキを頻繁に使うとブレーキオイルが上昇してブレーキが効かなくなる「べーパーロック」という現象もあります。
ブレーキオイルに水分が混じり沸点温度が下がりブレーキオイルに空気の気泡が発生してブレーキが効かなくなる状態です。
坂道を下る時にブレーキが効かないので、最後はどうなるかわかりますよね?
ブレーキオイル交換はケチらないことですね。
もちろんオイル関係のエンジンオイルもまめに交換しておくほうがいいです。
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